Waystone:ケイマン諸島に関する最新情報
また、Waystoneの世界各地でのニュースやイベントなど、最新情報もお届けします。今回お届けする内容:
2023年4月、ケイマン諸島金融庁(CIMA)は、以下の規則およびガイダンス・ステートメントを発表しました。
- — 規則 – 規制対象の事業体におけるコーポレート・ガバナンス(2023年10月14日施行)
規制対象の事業体は、コーポレート・ガバナンスの枠組みを確立、導入、維持し、コーポレート・ガバナンスの枠組みの導入に責任を負う監督機関を設立しなければならない。 - ガイダンス・ステートメント(SOG)– ミューチュアルファンドおよび私募ファンドにおけるコーポレート・ガバナンス
このSOGの目的は、規制対象のミューチュアルファンドまたは私募ファンドの運営主体に対し、規制対象のミューチュアルファンドまたは私募ファンドの健全かつ賢明なガバナンスに最低限期待されるガイダンスを提供することである。 - 規則およびガイダンス・ステートメント – 規制対象の事業体における内部統制(2023年10月14日施行)
目的は、規制対象の事業体に対し、事業体の内部統制または構造と運営方法に関する要件について、規則とガイダンスを定めることである。 - 記録保持に関する最新のガイダンス・ステートメントへは、こちらのリンクからアクセスできます。
注意事項:
「規則」は、すべてのライセンシーに拘束力のある義務を課すものであり、違反した場合には罰金が科されたり、規制措置が取られたりする可能性があります。
「ガイダンス・ステートメント(SOG)」は、ライセンシーによる関連規制の遵守を支援し、業務遂行における指針を説明するものであり、ライセンシーの事業運営における推奨事項が含まれています。
関連資料:
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ケイマン諸島ファンドで成功するために重要な独立取締役の役割
独立取締役は、ヘッジファンドや私募ファンドのガバナンスと戦略的意思決定プロセスを形成する上で、重要な役割を果たします。この記事では、独立取締役の選任がケイマン籍ヘッジファンドや私募ファンドの成功にどのような影響を与えるか、詳しくご説明します。
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ケイマン籍ファンドのためのガバナンス・フレームワークの変更(ウェビナー)
このウェビナーで、最新の法規制動向と貴社ビジネスへの潜在的な影響について最新情報を入手しましょう。Waystoneの専門家チームが、ケイマン籍私募ファンドのガバナンスを取り巻く状況について議論し、これらの変化が何をもたらし貴社ビジネスにどう影響するのか、貴重な洞察を提供します。動画はこちらから、ポッドキャストはこちらからアクセスできます。
2005年1月以来、Waystoneアセット・マネジメント(ケイマン)リミテッド(以下、WAM Cayman)は、ホスト型ケイマン規制対象資産管理サービスを提供してきました。規制遵守にかかるコストが増加する中、ホスト型管理ソリューションに対する需要はかつてなく高まっています。Waystoneのケイマン諸島のホスト型管理ソリューションは、Waystoneグループが提供する広範なサービスによって補完されており、国際的な機関や資産運用会社による、効率的なストラクチャーの構築を通じた資金調達および投資目的の追求をサポートするために、包括的な規制ソリューションを提供することで優位性を発揮しています。
Waystoneグループが提供するホスト型管理ソリューションは非常に人気があり、世界全体で2,500億ユーロを超える資産を管理しており、ケイマン諸島だけに絞っても、130億米ドルを超える資産を管理しています。
今年、WAM Caymanチームは、以下のような複数のソリューションの構築に注力してきました。
- 日本市場向けデイトレード・プラットフォーム
- Waystoneアセット・マネジメント・ソリューションズは、ポジションをヘッジし日々のボラティリティを管理できるようデイトレードが可能な投資ファンドを組成したい、というグローバルな金融機関のお客様の声にお応えし、複数のケイマン籍ミューチュアルファンド(トラスト・シリーズ形式)の設立を支援するために、斬新な措置をいくつか講じました。その一環として、たとえば、ホスト型規制対象管理サービスを活用するケイマン諸島担当マネージャーやアイルランドのホスト型管理サービスを活用するアイルランド担当投資マネージャー、さらには、Waystoneのファンド管理ビジネスである「Centaur」のデイトレードNAV計算専任チームの中から、オーバーナイトでデイトレードのNAVを計算する担当者を配置しました。
- 現在10を超えるシリーズ・ファンドが設立され、2024年初めにはさらに12のファンドが追加されることが予定されており、Waystoneは、日本市場におけるデイトレードファンド・ストラクチャーのプロバイダーとして際立つ存在となっています。
- QPAMによるAIFの運用 – ERISA取引プラットフォーム
- WAM Caymanは、ヨーロッパの大手信用供与プロバイダーと連携し、提供する規制対象のホスト型管理サービスを活用して、ERISA投資家から資金を調達し、英国を拠点とするQPAMが特定・管理するプライベート・クレジット投資商品に投資できるファンド・プラットフォームを開発しました。
- Waystoneは、ケイマン諸島に拠点を置くガバナンス&規制サービスと組み合わせた規制対象の管理サービスとしてERISAファンドを設立し、必要なサポートインフラおよび管理サービスを提供できるようになりました。
- ファンドのローンチは大成功を収め、運用資産残高は2024年の目標である10億米ドルを上回る勢いです。
- ファンド・プラットフォームの運営
- Waystoneはこれまで、数百万ドル規模のファンドのローンチをいくつも手掛け、WAM Caymanはそのプラットフォームを運営してきました。
- WAM Caymanはプラットフォームの運営者として、効率的な単一連絡窓口を提供し、ローンチのあらゆる側面を調整しています。
- Waystoneの市場での高いプレゼンスにより、ファンド・プラットフォームご契約者様は、顧問弁護士や管理者、監査人によるサービスを優先ベンダー料金でご利用いただけます。
- もう1つの大きな利点は、ファンドのローンチまでにかかる時間を短縮できることです。Waystoneプラットフォームは、プロジェクトを一元管理することにより、新規ファンドのローンチにかかる日数を約45日に短縮します。
FATFは2023年10月25~27日にパリで総会を開催し、強化モニタリング対象国・地域リスト(通称、グレーリスト)からケイマン諸島を除外するという決定を発表しました。
ケイマン諸島は、FATFの第4回相互審査の結果に基づき、2021年2月にグレーリストに初めて指定されました。FATFが、ある国・地域をモニタリング対象にするということは、その国または地域が、特定された戦略上の欠陥を合意された期限内に迅速に是正することを約束し、その履行状況がモニタリングの対象となることを意味します。実際、ケイマン諸島は、FATFおよびCFATF(カリブ金融活動作業部会)と協力し、AML/CFT態勢の実効性を強化し、以下の実施を含めた戦略上の欠陥に対処するための行動計画の実行に引き続き取り組む、という高官レベルでの政治的公約をしました。
- (1)効果的、適切かつ抑止的な制裁を適用し、違反が効果的かつ速やかに是正されることを保証するため、義務を負う主体に対して行政罰および強制措置を講じる。
- (2)関連当事者(法人を含む)が正確、適切かつ最新の受益所有権情報を提出しない場合には、適切かつ効果的な制裁を課す。および、
- (3)国・地域のリスク・プロフィールに沿って、あらゆる種類のマネーロンダリングが訴追され、その結果、抑止的、効果的かつ適切な制裁につながっていることを実証する。
ケイマン諸島のグレーリストからの除外は、9月初旬のFATFによる現地視察後が成功裏に終わったことを受けており、ケイマン諸島政府は、進化するグローバル課題および基準に同地域が確実に対応できるよう、引き続きAML態勢を強化していく予定です。
FATF総会は、第4回相互審査で特定された戦略上の欠陥への対処におけるケイマン諸島の著しい改善を高く評価しました。FATFは2025年に第5回相互審査を開始し、ケイマン諸島の審査は2026年に開始される予定です。それまで、ケイマン諸島は、欧州連合(EU)のAMLブラックリストから除外されることが予想されます。
2023年11月1日、ケイマン諸島金融サービス・商務省は、ケイマン諸島政府による過去10年間の会社登記(特にテクノロジー面)への多額の投資を考慮し、2024年1月1日以降、ケイマン諸島に登記している会社に適用される年間費をわずかに増額する旨を発表しました。尚、年間費は過去10年間ほぼ一貫しており、改定は行われてきませんでした。
これに伴い、新しい年間費は以下のようになります。金額の通貨は、すべてKYD(ケイマン諸島ドル )です。
会社年間費 | ||||
---|---|---|---|---|
種類 | 最低株式資本 | 最高株式資本 | 現行年間費 | 新規年間費 |
免税会社 | 0 | 42,000.00 | 700 | 825 |
42,001 | 820,00.00 | 1,000 | 1,125 | |
820,001 | 1,640,000.00 | 1,984 | 2,109 | |
– | >1,640,000.00 | 2,568 | 2,693 | |
非居住会社 | 0 | 42,000.00 | 675 | 800 |
– | >42,000.00 | 915 | 1,040 | |
外国会社 | 1,350 | 1,550 | ||
有限責任会社 | 800 | 1,000 | ||
SPCセル費 | 300 | 400(最大$6,000) |
近年、年間費や登録抹消料の未払いなど、ケイマン諸島取締役登録&ライセンシング法(DRLA)を遵守しなかった取締役に対して、罰則が課せられているケースが多発しています。
対象事業体の取締役をまだ務めていない自然人または法人は、任命前に適切な登録またはライセンスを申請し、取得する必要があります。 年間費は毎年1月15日が支払い期限となっています。
すべての対象事業体から退任した場合でも、登録は自動的には抹消されず、登録取締役であれば600ドル(ライセンス取締役は800ドル)の登録抹消料を支払う必要があります。DRLAに基づく取締役登録義務の不遵守は犯罪行為に当たり、いわゆる略式起訴で有罪判決を受けた場合、最大約60,000米ドルの罰金および/または最長12か月の禁錮刑が科せられます。
以下では、重要な期日をまとめています。
期日および罰金 | ||
---|---|---|
期日 | 罰金 | 管轄当局 |
2024年1月31日。ただし罰則は2024年3月31日まで科されない | 4月1日~6月30日:年間費の33.33%
7月1日~9月30日:年間費の66.67% 10月1日~12月31日:100% |
会社登記所(年次報告費)。「経済的実体に関する通知書」は「年次報告書」の前に要提出。 |
2024年1月15日 | 未納月数に応じて 年間費の12分の1 |
ケイマン金融庁(ミューチュアルファンド年間費) |
2024年1月15日 | 取締役登録&ライセンシング法(2014年)に従い、 未納月数に応じて年間費の12分の1 |
ケイマン金融庁(取締役登録更新) |
2024年1月15日 | 未納月数に応じて
年間費の12分の1 |
証券投資事業法 |
Waystoneに関する最新情報
- Waystoneグループは、Linkグループの一部門である Link Fund Solutions(LFS)のアイルランドおよび英国事業の買収について、規制当局による承認およびその他の契約条件が完了したことを発表しました。プレスリリースの全文はこちら。
- Sanjiv SawhneyがWaystoneのグローバルCEOに任命されました。国際的なプロジェクトでリーダーシップを発揮してきた経験と、広範な投資家サービスを提供してきた実績を活かし、Waystoneをさらなる成長段階へと導きます。
- Waystoneスポットライト:ファンド管理サービス – Waystoneが提供する他のすべてのサービスと同様に、ファンド管理チームは、お客様に良質なカスタマー・サービスを提供できるよう尽力しています。Waystoneでは、お客様にタイムリーかつ正確な情報を提供できるよう、テクノロジーと従業員トレーニングに投資してします。
イベント
- 11月7~10日 – Christopher MarchioliとSophia Dilbertが米国テキサス州ヒューストンを訪問します。この期間中、ヒューストンにてチームへのご相談をご希望の場合、MarchioliまたはDilbertまで直接ご連絡ください。
- 1月24日 – Waystoneサミット。12月から1月にかけて開催されるこの特別イベントでは、機関アロケーター、ファンドマネージャー、業界をリードする専門アドバイザーの率直な洞察と共に、今最も注目すべき業界の課題を取り上げます。